フルール・フルール FLEURS FLEURS
商品開発・プロデュース
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ベーカリーショップ
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岐阜県土岐市
「バプール」の姉妹店として、2021年12月にヴェールを脱いだ食パン専門店「クラストパン」。従来の食パン専門店の通例だった高級路線を脱し、毎日フレッシュな食パンを届けたいという、パンへのやさしい愛情に満ちています。
“ハレの日のパン”ではなく、日常に欠かせない“ケの日のパン”を届けるベーカリーとして、新しい食スタイルに期待が高まる一軒。
オーナーの加藤大貴が、「クラストパン」で叶えたかった“パンのある生活”への思いについて聞きました。
― 「クラストパン」の店名の由来について、お聞かせください。
「クラスト」はパンの表皮、外側のことを示します。日本人にとって親しみ深い、象徴的な食パン形の中に、ラヴィデュレーヴがこれまで積み重ねてきたパン作りに寄せる思い、技術、パン文化を広めたいという信念など、すべてを凝縮しました。
― 「クラストパン」では、どんな食パンに出会えますか?
例えばコーヒー豆は、製造している地域や農園など生産場所の違い、浅煎り、深煎りなど焙煎の度合いによって、香りや味わいに独自性が生まれます。コーヒーを楽しむ方が、その日の気分や時間帯に合わせて豆を選ぶように、食パンも、小麦の産地や品種ごとの特徴を感じながら、日々の暮らしのワンシーンに合わせて選んでいただきたい。その思いから、「クラストパン」では素材ごとの特徴、持ち味がダイレクトに伝わるラインナップになっています。
―「クラストパン」の食パンは、一般的な食パンより小ぶりなサイズですね。
フランスのブーランジェリーに勤めていたころ、現地の人たちが日々の習慣として、その日に食べ切る分のバゲットを買いに来る姿を目の当たりにしました。その豊かな食生活を日本にも取り入れたいと思った時、日本の方にとって一番親しみ深い食パンなら実現できるのではないかと思いました。小麦本来の味わいが生きているフレッシュな食パンを、毎日買い求め、日々の食卓に並ぶような風景を創れたら素敵だなと。
そこで、フレッシュな内に食べ切れるサイズの食パンにして、ワンコインで購入できる価格に設定。フランスで目にした“パンのある生活”を、日本人にとって一番ご飯に近い、主食として親しみやすい食パンを通して叶えたい。その思いから、小ぶりでお手ごろな価格にしました。
― 「クラストパン」の食パンには、どのような素材を使っているのでしょうか。
これまで「ラヴィデュパン」では、海外で学んだ知識や経験を生かし、食材選びも製法も、世界のスタンダードを取り入れていました。
しかし「クラストパン」では、素材も製法も、デザインもよりシンプルに、余分な物を極力削ぎ落として提案していきたい。
特に素材に関しては、国産の小麦のみを厳選して使用。これまでパンの原料となる小麦は輸入品が大半でしたが、パン作りに適した新しい国産小麦が続々と開発され、独自性を発揮しています。
「クラストパン」の食パンを通じ、日本の食のポテンシャル、日本ならではの風土を生かした食の魅力を発信するきっかけになればと考えています。
―「クラストパン」では、生地冷凍による無添加の食パンを提供しています。なぜ“冷凍”という選択をされたのですか。
ラヴィデュレーヴでは、創業以来、おいしいパンのある暮らし、新しいパンの文化を日本中に広めたいという思いのもと、パンと向き合ってきました。現状に甘んじることなく、日々研鑽を積む中で、おいしいパンを作るために辿りついたのが“冷凍”という選択肢でした。
通常、パン作りの工程では1次発酵のあと、生地を分割して2次発酵するのが一般的です。しかし独自のレーヴシステムでは、―40~―50℃の環境下において1時間以内で急速冷凍することにより、発酵を1回にしました。そうすることで、小麦の甘みを最大限に引き出すことができるのです。
また、パン作りでは、生地の状態を安定させるための手取り早い方法として、添加物を使用し、水分量を抑えることがあります。しかし急速冷凍によるレーヴシステムなら、添加物を使うことなく、水分量を高い水準で保った生地を安定して作ることが可能になりました。
かつては冷凍パンと聞くと、抵抗感を抱く方もいらっしゃいましたが、近年の高性能な機器や技術を踏まえ、それに最適な材料や温度管理、生地作りなどを試行錯誤した結果、これまでの常識を超えるおいしい生地が実現しました。私たちにとって冷凍という選択肢は、決して妥協案ではなく、おいしさを最優先するための必須条件だったのです。
さらに、冷凍することによりあらかじめ生地を作っておけるので、ロスを抑えるというメリットもあります。このレーヴシステムを使ってフランチャイズ事業を展開することで、日本中においしい食パン文化を広げることが可能になりました。
― 「クラストパン」のラインナップについて、お聞かせください。
レギュラー商品は7種類です。
「米」をテーマにした看板商品の「ヒカリ」は、北海道産小麦「キタノカオリ」を使用。独自の生地冷凍の技術により、水分量(小麦に対する水の比率)100%を実現しました。これはご飯に匹敵する水分量であり、日本人が好むお餅のようなもっちり、とろける食感に仕上げました。小麦の甘さがダイレクトに伝わります。
「ヒカリ」をはじめ、毎日食べたくなる「コマチ」「ニシキ」を含めたレギュラーの3種類に、旬の素材などを使った季節限定のフレーバー食パンを4種類ラインナップ。さらに「季節・旬・月・日のパン」が限定バージョンとして登場予定です。訪れるたびに新しい味に出会えますよ。
― 「クラスト」のパンを、どのように楽しんでいただきたいですか。
「クラスト」のコンセプトは“朝・昼・晩・パン”。時間やシーン、ペアリングするドリンクや料理との調和によって、7種類+αの食パンを使い分けながら、毎日、食卓の真ん中に「クラスト」の食パンが並んでいる、そんな新たな食のスタイルが生まれたらうれしいですね。
― 「クラストパン」のお店は、職人の方たちの熱気が伝わる工房のような雰囲気。どこか懐かしさを感じます。
かつて日本の風景の中ではあたり前だった昔の米屋、肉屋、豆腐屋、魚屋、八百屋といった専門店をイメージしました。工房であり、直売店でもある。作り手の息づかい、躍動感、製造現場ならではの香りやライブ感といった体験も含めて、パンとの新しい接点になればと願っています。
― ラヴィデュレーヴのグループ内における、「クラストパン」の役割は?
「クラストパン」は、「ラヴィデュパン」、「バプール」と共に、食のセレクトショップ、ライフスタイルショップのような存在でありたいと願っています。単にパンを提供するだけではなく、パンを通じて、フランス菓子やワイン、コーヒー、チーズなど、パンを囲むさまざまな食文化、“パンのある生活”全体を提案していきたい。パンを媒介に、日本とフランス、日本の食卓とパンをつないでいきたいですね。
ラヴィデュレーヴが開発した生地冷凍の技術による食パンをラインナップ。レギュラーの7種類に加え、季節・旬の素材を使った商品、月替わり・日替わりの限定バージョンが登場。毎日買える食パンを目指し、400〜500円のワンコインで買える価格にて提供。フレッシュな状態で食べ切れるサイズの1本売り。家族構成やライフスタイル、シーンに合わせて選べ、常に、最もおいしい状態で食卓に並ぶように工夫を凝らしています。
愛知県岡崎市三崎町8-15
tel 0564-47-7784
営業時間 10:00-18:00
定休日 月・火曜日
Instagram @kurasu_to_pain
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